日本ボレイト犀川泰光 プロフィール

2018/05/07

シロアリ駆除に使用する農薬系合成殺虫剤のリスク

日本のシロアリ防除業者さんの多くは、農薬系の合成殺虫剤ネオニコチノイド系を使用します。


シックハウス症候群、化学物質過敏症などの他、めまいがする、喘息になった、頭痛になった、住めなくなった等の理由で、工務店さんやシロアリ防除業者さんが訴えられています。

国民生活センターが発表した「シロアリ防除は安全か!」▶ を抜粋して紹介しているページがあります。
 http://www.kokusen.go.jp/news/data/a_W_NEWS_043.html
 ※こちらで、シロアリ防除後に発生した全国の症状別件数等を表示しています。

事故情報データバンクシステムでも「シロアリ」と検索をいただければ、事例がたくさん出てきます。
 http://www.jikojoho.go.jp/ai_national/search/search.do

合成殺虫剤は、文字通り殺虫能力は高いのですが、予防効果は短い期間でしか期待ができません。
それでいて、安全性に関してのリスクが大きい。

使い方によっては絶大な効果を発揮しますが、その副作用も理解しておかなければなりません。
使用する場合は特性を把握し、細心の注意をはらって、他に害が及ばないようにピンポイントで使う必要があります。

合成殺虫剤のリスク

・効果の持続期間は短期間(最長で5年)
合成殺虫剤は人体に悪影響を及ぼすため、近年では分解しやすいように設計されています。つまり効果は最長でも5年と言われ、再処理を必要としてしまいます。
ただし、壁の中にある柱、間柱、筋交い等の構造躯体に再処理ができません。断熱材に覆われてしまった床組も再処理ができません。そこにシロアリが来るのにです。
解体をすれば再処理できますが、解体をしてまで合成殺虫剤処理をするのは非現実的です。最長5年しか持たないし・・・。

床下からわずかに見える木部への合成殺虫剤処理をしていたとしても、シロアリリスクが高いまま建物を維持しなければならない。それが合成殺虫剤の一つのリスクです。

・地震に弱い
大地震の際に倒壊の確率が上がるという倒壊家屋の調査結果が出ています。
阪神淡路大震災後の調査では、シロアリもしくは木材腐朽菌による害が認められた家屋の倒壊率は80%で、害が認められなかった家屋の倒壊率40%という報告がありました。
腐れやシロアリに侵入リスクが高いままと言うことは、大地震での倒壊リスクも常に付きまといます。
・人体への健康被害
成人男性への急性毒性は低いと言われていますが、胎盤を通り胎児の脳を司る神経に深刻な影響を及ぼします。
知らぬ間に呼吸で摂取
タバコのニコチンが未成年者の脳に悪影響を及ぼすことは常識ですが、ニコチンを化学的に進化させた殺虫剤をネオニコチノイドと言います。多くのシロアリ防除業者さんが好んで使っている農薬系の合成殺虫剤です。
小児がタバコ一本分のニコチンを摂取したら致死量に到達します。
そのニコチンを呼吸で摂取すると、胎児、幼児、妊婦さんなど健康弱者には強力に作用してしまいます。これも合成殺虫剤の一つのリスクです。

・生態系への影響
原因殺虫剤とは、ネオニコチノイド系合成殺虫剤のことです。
農薬として使うネオニコチノイドは、害虫をニコチン中毒にして殺虫します。
しかし、害虫と呼ばれる虫のみならず、ミツバチまでニコチン中毒にしてしまうと言われ、ミツバチ以外でも様々な昆虫や小動物、野鳥に影響を与えている可能性があると考えられることから、生物多様性が維持できなくなるとの懸念も強く、さらに農作物の表面や内部に残留したネオニコチノイドの成分を人が食事を通じて日常的に摂取した場合、神経の正常な発達が阻害されるとの研究結果が報告されるなど、人体への影響も心配されています。ネオニコチノイドの使用によって生態系を崩しつつあり、生態系へのリスクでもあるということになります。

Nature誌では合成殺虫剤ネオニコチノイドについて繰り返し掲載されています。

世界で特に権威のある学術雑誌のひとつNature誌では、合成殺虫剤ネオニコチノイドについて繰り返し掲載されています。


出典:natureダイジェスト


ここまで、農薬系の合成殺虫剤ネオニコチノイドを例にしてリスクをご紹介しました。
それでもマイホームにシロアリ予防のために、合成殺虫剤を使いますか?


世界では、シロアリ予防に合成殺虫剤は使いません。安心安全で再処理不要であるホウ酸処理がスタンダードです。
日本でもホウ酸は公益社団法人日本木材保存協会に認定をされている薬剤ですので、急激にホウ酸処理事業者のお仕事が増えています。
しかし、日本のシロアリ防除業者さんの大半は、ホウ酸処理の知識も技術も無いため、まだまだホウ酸のシェアは低く、合成殺虫剤のシェアが恐ろしく高いままとなっています。
正しいホウ酸処理による防腐防蟻工事は、木材劣化対策工事です。
木材劣化対策を施せば、いつまでも、シロアリリスクは低いままです。


それでもマイホームにシロアリ予防のために、合成殺虫剤を使いますか?




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