日本ボレイト犀川泰光 プロフィール

2022/03/25

ホウ酸処理基礎講座 ホウ酸の主な処理方法

ホウ酸の主な処理方法


シロアリ対策、腐れ対策でホウ酸処理が話題にあがることが多くなってきました。
ホウ酸処理は正しい知識がなければ期待している防腐防蟻性能を発揮させられないため施工者は知識武装が必要です。また、施工後は長期間責任があるため万が一のときにも対応を求められます。
正しい知識と技術を持って施工をし、長期間アフターフォローを行うための基礎知識をホウ酸処理基礎講座と称してご紹介します。

ホウ酸処理方法

日本のシロアリ対策は、ホウ酸処理へシフトが進んでいますが、その処理方法はいくつかあります。
ここでは、主な2通りをご紹介します。
  1. ホウ酸を水溶液にして処理する方法
    ホウ酸塩を水溶液にして木材に含浸させるシンプルな方法で、シロアリが木材を食べると同時にホウ酸を食べ食毒として作用させる工事です。
    以下のポイントを理解して工事を行う必要があります。
     ・高濃度に調整できるホウ酸塩を使用する。
     ・高濃度に調整する方法を理解して使用する。
     ・シロアリ対策に必要な処理量を理解して使用する。
     ・雨などの対策を行う。

    そこで、世界的に親しまれているのが、ティンボアPCO(八ホウ酸二ナトリウム四水和物)です。高濃度に調整が可能なホウ酸塩だからです。
    ただし、ホウ酸塩を水溶液にした以降は常に結晶化の問題がつきまとうため温度の管理が必要になります。

  2. ホウ酸の微粉末を散粉する方法
    ホウ酸塩の原体を微粉末にして木材のみならず小屋裏や壁内、床下の至るところに付着させる工事です。
    シロアリが木材を食べる際にホウ酸塩を一緒に食べて食毒として作用させる他、仲間同士でグルーミング(舐め合う行為)する際にホウ酸塩を舐めあって食毒として作用させる方法です。
    この工事はアメリカにおいてゴキブリ対策として一般的になっている工事でもあり、シロアリと同じように手足に付着したホウ酸塩を舐めて食毒として作用します。
    ホウ酸塩の微粉末を使用する工法であるため水溶液になっているホウ酸塩は工事ができません。

ホウ酸処理で把握しておくべきこと

2通りのホウ酸処理をご紹介しましたが、ホウ酸処理は薬剤の選定から始まり、濃度、処理量、処理方法、温度等の管理、及び、ホウ酸によるシロアリ侵入経路遮断処理の他、既存住宅に関しては、処理部の状況に応じて最適な材料で最適な工事を選択する必要があります。
ホウ酸処理をしっかり勉強している人と、そうでない人の差は歴然なので工事を依頼する際は注意してください。

まとめ

ホウ酸の効果を利用した様々なホウ素系材料を当該建物に適切な方法を選択し処理する必要があります。
ホウ酸処理を正しく行えれば、シロアリや腐れによる木材劣化率を限りなくゼロに近づけることができ、かつその効果は長期間となります。(水に流されない限りずっと持続)

逆に言えば、ホウ酸の効果、特性、デメリットを理解せずに中途半端な工事をしてしまうと、ホウ酸の効果が長期間であると安心しきっていたところに大きなしっぺ返しなんてこともありえます。

ホウ酸処理は、用法用量とその処理方法をしっかり理解している人に工事を依頼しましょう。

一般社団法人日本ホウ酸処理協会では、日本で唯一のホウ酸処理育成プログラムにてホウ酸施工士を毎月育成しています。
ホウ酸施工士が在籍している業者検索は、シロアリ駆除業者検索サイトシロアリポリスがオススメです。



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