シロアリが寄り付かない家を作るという考え方
シロアリ対策には大きく分けて3つあります。
1つ目は、被害が出た後に駆除する「後手の対策」。
2つ目は、シロアリ業者に農薬系殺虫剤を定期的に散布してもらう「再処理型の対策」。
3つ目は、そもそも寄り付かないようにしておく「先手の対策」。
特に3つ目の「先手の対策」でおすすめなのが、ホウ酸処理です。
ホウ酸処理は木材の内部にホウ酸を浸透させることで、シロアリを寄せつけません。
(実際はひとかじりふたかじりと目に見えないミクロの世界で食べられるのですが、次から次へとシロアリが弱っていき、危険を察知したシロアリが寄り付かなくなる食毒作用でシロアリを撃退させます)
しかも、農薬のように揮発しないので、時間が経っても効果が持続。だから一度の処理で基本的に再処理は不要です。
定期的なメンテナンスは「点検」のみでOK
「でも、それでもメンテナンスは必要なんじゃないの?」と思う方もいるでしょう。
たしかに家の維持管理には定期的な点検が必要です。
でもそれは、ホウ酸処理済みの家なら「ホウ酸が流れ出していないか」「雨漏りなどで劣化がないか」といった簡単な確認程度で済むのです。
つまり、駆除業者さんを呼んで殺虫剤を再処理をお願いしたり、被害が出てから駆除費用と修復費用を用意する必要がなくなるのです。
浮いたお金は外壁塗装や設備のグレードアップに回せる
これは家計にとって大きなメリットです。
シロアリ駆除にかかる費用は、被害状況にもよりますが、駆除費用+修復費用で数十万円単位になることが珍しくありません。
これを回避できるだけでも、将来のメンテナンス資金に余裕が生まれます。
浮いたお金で外壁塗装を早めに行ったり、設備のグレードアップに回したり、家をもっと快適で長持ちさせるための投資ができるのです。
結論:再処理費用を払うより、メンテナンス費用としてお金を使うのが賢い選択
シロアリ被害が出るたびに駆除業者に依頼し、そのたびに高額な費用を捻出する家に住むより、最初にしっかりとホウ酸処理を行い、その後は点検だけで維持管理していく家を選ぶほうが、家族にとっても、家計にとっても、ずっと賢く安心です。
一度きりの処理で「駆除費用や再処理費用とは無縁の家」を手に入れ、浮いたお金を有効活用する――
それこそが、これからのマイホーム維持管理の新常識ではないでしょうか。