「見えないところに、本当の価値がある」住宅性能の話
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ホウ酸処理が支持される理由
“再処理不要”かつ“安全”という住宅に適した特性
前編では、日本の農薬処理が抱える根本的な課題についてご紹介しました。
後編では、それと対照的に、なぜホウ酸処理が世界中で支持されているのかについてお伝えします。
ホウ酸は、農薬と違って再処理の必要がなく、長期間にわたり安定した効果を発揮します。
それだけでなく、住まいの寿命を延ばし、住む人の健康や安心を守るという点でも非常に優れた特徴を持っています。
再処理が不要。
だからコストもかからない。
ホウ酸は無機物であり、揮発・分解の心配がありません。
空気や光、温度の影響を受けず、処理した木材表面に安定して残留し続けるため、長期的に効果が持続します。
処理方法は主に噴霧処理で行われます。
木材の深部まで含浸させるものではありませんが、木材表層にしっかりと留まることで、処理後も長く家を守り続けてくれるのがホウ酸の強みです。
腐朽菌にも対応。
家全体の“耐久性”が上がる。
シロアリ対策と並んで大切なのが、「木材腐朽」の防止です。
とくに浴室や洗面脱衣室、床下など湿気のたまりやすい場所では、木材腐朽菌による劣化が深刻な問題となります。
ホウ酸は、木材を分解する菌類の活動も抑える性質を持っているため、シロアリ+腐朽の両方に対してアプローチできる、非常に合理的な木材保護剤です。
人とペットにやさしい。
空気を汚さない。
ホウ酸は、実は目薬や洗眼液、食品添加物などにも使われている物質です。
人間や哺乳類に対する毒性が非常に低く、シックハウス症候群や化学物質過敏症が心配されるご家庭でも安心です。
また、揮発しないため、室内空気に薬剤成分が拡散する心配もありません。
小さな子どもやペットがいるご家庭には、とても相性の良い防腐防蟻処理です。
見えないけれど、
家族の命を守っている。
地震大国である日本。
いくら耐震設計をしても、柱や土台がシロアリや腐朽で弱っていれば、建物の強さは半減します。
実際、過去の大地震では「構造的には倒れないはずだった家が、シロアリ被害によって倒壊した」という例も確認されています。
つまりホウ酸処理は、単なる防虫対策ではなく、「構造の安全を守る処置」なのです。
家族の命を守るために、見えない部分にこそ“本物の備え”をしておく。
それが、ホウ酸処理という選択の本質です。
建築会社様へ。
「慣れている方法」が「正しい方法」とは限りません。
現在、多くの建築会社では、付き合いのあるシロアリ業者にシロアリ対策を一任しているケースが大半です。
そしてその業者が農薬系処理を採用しているなら、それをそのまま使っている。。。それが“業界の慣習”です。
でも、その処理方法が長期的に本当にお施主様のためになっているのか?
建てた家が20年、30年経っても価値を保ち続けられるのか?
建築会社として、一度立ち止まって考えてみる価値はあるはずです。
「正しいこと」を伝えられる住宅会社が、信頼される。
ホウ酸処理は、まだ日本では「新しい考え方」として扱われがちです。
しかし、住宅の長寿命化や、災害対策、健康配慮といったこれからの住宅に求められる要素を考えたとき、明らかに農薬系処理とは一線を画す“正しい選択肢”です。
単に農薬に疑問を投げかけるのではなく、「こういう方法もありますよ」と正しく伝えられる会社こそが、信頼される建築会社です。
まとめ
選ぶべきは、「長く安心して住める家」を実現する方法。
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ホウ酸処理は再処理不要。木材を長く守る。
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腐朽菌も防ぎ、構造の耐久性を高める。
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揮発せず、家族の健康に配慮できる。
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地震被害から命を守る“構造安全対策”にもなる。
「どっちもどっち」に見えて、実はそうではありません。
ホウ酸処理は、世界ではすでに当たり前の常識であり、
それを知らずに過ごすことの方が、むしろリスクです。
もし「もっと詳しく知りたい」「導入を検討したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
家を長持ちさせたい、健康に暮らしたい、災害に強い家をつくりたい!!
そんな建築会社さま・施主さまのお役に立てるよう、私たちは全力でサポートいたします。
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