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1. 日本におけるシロアリ被害の特徴
1-1. 従来種による被害
日本の在来種であるヤマトシロアリは湿気を好むため、床下や水回りなどの構造材を中心に食害を行う傾向がありますが地面の湿気を蟻道を通して木材にあげることができるので、比較的地面に近い床下付近での被害が多いです。
近代建築では玄関周りへの被害も目立ちます。床下が無いため点検が出来ない上、玄関の土間下は土壌なのでシロアリが容易に玄関框や玄関建具のほか構造材へ侵入できるからです。
また、屋根に雨漏りがある場合は蟻道を伸ばして屋根まで到達し、被害を及ぼすことも少なくありません。
一方、イエシロアリは水を運ぶ能力を持ち、家中に被害をもたらす可能性があります。当初は外来種とされていましたが、現在では在来種扱いとなっているシロアリです。
これらの従来種による被害は、発見が遅れると建物の強度を大幅に低下させ、地震や台風など外的要因に対して脆弱になる点が大きな問題です。
しかし、残念ながら日本の建築業界では、こうしたシロアリ対策を十分に講じていないのが現状です。
1-2. 外来種アメリカカンザイシロアリの脅威
近年、外来種であるアメリカカンザイシロアリが日本各地で被害を拡大しています。乾燥した木材に含まれるわずかな水分だけでも生息ができるため、小屋裏のように湿度が低い場所、乾ききった木材でもコロニー(巣)を形成し、建物全体に被害を広げる特徴があります。さらに、タンスやソファ、テーブルなどの木製品にも巣を作るため、従来のシロアリ被害とは異なる深刻なリスクをもたらしています。
ところが、日本のシロアリ防除業者による駆除工事は、殺虫剤の散布など一時的な駆除しかしないため、殺虫剤が付着したシロアリは死滅するものの、コロニー内部の大半に薬剤が行き渡らず、部分的な駆除にしかならないことから「被害を根本的に食い止めることができない」「駆除は難しい」と言い切っているのが日本のシロアリ防除業者の実情となっています。
こうしたアメリカカンザイシロアリの被害は、これまでの常識を覆すほど拡大しており、メディア規制がかかっているとも聞いています。
ある行政は、「この被害を公表してしまうとその町全体の不動産価値が下がってしまう」「マイナスの資産ですなんて好評できない」とおっしゃっていましたし、別の行政は「外来種アメリカカンザイシロアリの被害による問い合わせは年に数件なので、放置します」「ものすごく被害が拡大している事実を無視します」とおっしゃっていました。
早急に世界的に実施されているとても効果的な防除技術を日本の木造建築物に導入する必要があるのに・・・・
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